オキナワノコギリクワガタの飼育マニュアル

飼育マニュアル

基本情報

学名: Prosopocoilis dissimilis okinawanus
和名: オキナワノコギリクワガタ
生息地: 沖縄本島とその周辺離島
サイズ: ♂30mm〜71mm程度 ♀20mm〜38mm程度
ギネスサイズ: ♂飼育レコード75.1mm ♂野外レコード71.7mm
自己記録: ♂ 68.5mm ♀38.7mm

飼育難易度 (5段階)

飼育環境&餌 ★★☆☆☆ 特別な環境は必要なし。

産卵&ペアリング ★★☆☆☆ 普通に産卵してくれます。メスを攻撃する可能性アリ。

幼虫飼育 ★★☆☆☆ 普通に育ってくれます。

成虫飼育&休眠について ★★★★☆ とにかく休眠期間が長ーーい。

飼育環境&餌

飼育環境&餌 ★★☆☆☆ 特別な環境は必要なし。

飼育環境については特別に気を遣うことはないかと思いますが真夏の常温(28°以上)や真冬の常温は流石に耐えられないと思うので人間が過ごしやすい温度での飼育を心がけましょう。
大型のオスを作出したい場合は1400cc程度のボトルを使用しますが、800ccでも問題なくオスメス共に羽化可能なので飼育スペースについても場所を取ることもないと思います。
餌についても菌糸、マット共に問題なく食べてくれます。

産卵について

産卵&ペアリング ★★☆☆☆ 普通に産卵してくれます。メスを攻撃する可能性アリ。
  • ペアリング
メイトガード中のオキナワノコギリ
ペアリング中のオキナワノコギリ

オキナワノコギリクワガタのオスは個体差はあれど気性が荒い部類になります。
オスのサイズにもよりますがペアリングする際はアゴ縛りをすることを私はお薦めいたします。
我が家では同居ペアリングを採用しています。ペアリング中に交尾が目視で確認できるか
メイトガードがしっかり確認できればそこから2,3日で産卵セット投入可能と判断しています。
交尾もペアリングも確認できなければ1週間を目処にペアリングをしています。

  • 産卵セット
我が家で初めての卵!

我が家ではマットのみの産卵セットを組んでおります。
使用しているマットは産卵一番、完熟マット、幼虫飼育に使用したマットのリサイクルマットを
使用しております。マットの選り好みはそんなにないかと思います。
温度に関しては我が家では25°くらいで産卵実績があります。22~26°くらいの温度なら問題なく産卵してくれると思います。
我が家ではクリアスライダーの小で産卵セットを組みました。水分が抜けにくくゼリーやメスの排泄物によりマットの水分量が増してくるのでやや水分量少なめに組んでおります。
採卵したいなら2週間程度、幼虫で割り出したいなら1ヶ月半〜2ヶ月くらいで割り出すと良いと思います。

幼虫飼育について

幼虫飼育 ★★☆☆☆ 普通に育ってくれます。前蛹、蛹に注意点あり。
  • 卵・初齢幼虫の管理について

卵の管理は特別デリケートではないように思います。我が家ではマット上、マット埋め込み、ティッシュ管理と色々な方法で卵管理を行いましたが、どの方法も問題なく孵化しています。
幼虫飼育において一番デリケートな時期である初齢幼虫の管理特別落ちやすい印象はないです。
通常通り乾燥と蒸れに注意して管理すると良いでしょう。

  • 2〜3齢幼虫の飼育について

オキナワノコギリクワガタの幼虫は菌糸、マット共に問題なく餌として食べることができます。
我が家では、オオヒラタケ、カンタケ、カワラタケ、マットで飼育をしてみましたが、幼虫サイズ
羽化した成虫のサイズ共に全ての餌において大きな差はありませんでした。
幼虫のサイズはメスで7〜9g、オスは最大個体で17gまで成長しておりました。

  • 前蛹〜蛹期間について

オキナワノコギリの幼虫飼育において最も神経質になるのはこの時期かと思います。
ノコギリクワガタ全般において言えることですがオキナワノコギリも例に漏れず蛹室を作るのが
とても下手くそです。。。
クワガタが蛹から成虫に羽化する際余計な水分を体外へ放出し体、羽を乾かす必要があります。
その時に放出した水分が蛹室内に溜まってしまうと羽化した成虫が羽や体を乾かすことができずに
不全してしまいます。そのため放出した水分が蛹室内に溜まらないように水分が浸透する環境が必要不可欠です。オキナワノコギリはボトル底に蛹室を作ることが多々あります。そうなると放出した水分を
蛹室外に出すことができずに不全してしまう可能性があります。加えて体のサイズに合わない大きな蛹室を作るので羽化時に上手く体を動かすことができないというおまけ付きです。笑
ボトル底に変な蛹室を作ってしまった場合我が家では、蛹室下に水分を流すだけのマットや菌糸がない場合はボトルをひっくり返して水分を蛹室から蓋の方へ浸透させることができる環境を作ります。またこの際、蛹の頭部分がお尻よりも低い位置にきてしまうとよくないのでボトルを傾けて頭側が高くなるように調整してあげるとより良い環境が作れると思います。
蛹室の形がめちゃくちゃで羽化に支障が出ると判断した場合は人工蛹室を検討します。
人工蛹室とは人が作った簡易蛹室で我が家では園芸用スポンジを利用して作成しております。人工蛹室に移す判断基準としては、蛹室の全てまたは一部が崩れていないか、体を動かしたり、寝返りができそうな状態か?というのを個人的に確認して人工蛹室を使用するか判断しています。
とっても長くなってしまいましたがオキナワノコギリの飼育において恐らく一番事故が起こりやすいのがこの段階なので良く観察してあげると良いと思います。

休眠管理&成虫飼育

成虫飼育&休眠について ★★★★☆ とにかく休眠期間が長ーーい。
  • 休眠管理について

オキナワノコギリクワガタの休眠はとにかく長いです!
我が家では1年近く休眠している子がほとんどです。ノコギリクワガタの仲間は休眠期間が長いと
聞いてはいましたが平気で半年以上も何も食べずに寝ているなんて実際に飼育してみるまでは半信半疑でした。
この休眠期間ですが何も食べないとお伝えしましたが、お世話をしなくて良いわけではありません。
休眠が明けたら当然餌が必要になり、餌を与えるのが遅れてしまうと餓死してしまいます。そのためこまめにチェックしてあげて活動開始しているか確認しましょう。
休眠管理時に我が家ではティッシュを使用しますが休眠が明けて成虫が餌を求めて動き回ると入れておいたティッシュがズタズタになるのでこれを一つの活動開始の合図としてみると良いでしょう。
休眠管理中にもう一つ気をつけなければいけないのが乾燥です。休眠管理中に長い間放っておくと容器内の水分はどんどん抜けていってしまいます。クワガタ、カブトムシは基本的に乾燥に弱くその状態で放っておくと衰弱して死んでしまったり、脚や符節が欠けてしまいます。休眠中も容器内のティッシュを確認し乾燥してきたら霧吹きで加水してあげましょう。

  • 成虫飼育について

オキナワノコギリクワガタの成虫寿命は羽化後1年〜2年。活動開始後は半年程です。
羽化してから活動開始までは半年〜1年程かかります。活動開始後の生存期間で考えると寿命の短い種類のクワガタです。また、ペアリングが可能になる目安として我が家では後食後1ヶ月を目処にペアリングを開始しています。
我が家ではクリアスライダーの小、プリンカップの800ccを成虫管理に使用しております。
気性が荒いので餌交換の際には指を挟まれないよう気をつけて下さい。

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