基本情報
学名: Dorcus titanus daitoensis
和名: ダイトウヒラタクワガタ
生息地: 沖縄県の南大東島および北大東島
サイズ: ♂40mm – 65mm、♀20mm – 33mm。
ギネスサイズ: ♂飼育レコード65mm ♂野外レコード53.5mm
自己記録: ♂ 53.3mm ♀36.3mm
飼育難易度
飼育環境&餌 ★★☆☆☆ 特別な環境は必要なし。
産卵&ペアリング ★☆☆☆☆ 普通に産卵してくれます。温厚な性格でメス殺しも少ない と思われる。
幼虫飼育 ★☆☆☆☆ 普通に育ってくれます。
成虫飼育&休眠について ★☆☆☆☆ 休眠も短く虫も強いので容易。
飼育環境と餌
飼育環境&餌 ★★☆☆☆ 特別な環境は必要なし。
飼育環境については特別に気を遣うことはないかと思いますが真夏の常温(28°以上)や真冬の常温は流石に耐えられないと思うので人間が過ごしやすい温度での飼育を心がけましょう。
我が家ではオス、メス共に800ccのボトルで飼育。最大体長から考えても800ccで十分と考える。
食性については個人的には分解の進んだ餌を好むと考えており、菌糸よりもマットに適性があると考えております。我が家では菌糸を試したことはありませんがマットで53.3mmが出ており、マットでも十分に大型を狙えると考えています。
産卵について
産卵&ペアリング ★☆☆☆☆ 普通に産卵してくれます。温厚な性格でメスを攻撃する可能性も低いと考えられます。
- ペアリング
ダイトウヒラタクワガタはオスもメスも温厚な性格で争いを好まない性質をしております。
絶対に大丈夫とは言い切れませんがメスを攻撃する可能性は限りなく低いと考えています。
しかし温厚とはいえヒラタクワガタに変わりはないので心配な方はハンドペアリングをするか
アゴ縛りをして同居させると良いでしょう。
メイトガードがしっかり確認できればそこから2,3日で産卵セット投入可能と判断しています。
交尾もペアリングも確認できなければ1週間を目処にペアリングをしています。
- 産卵セット
我が家ではマットのみの産卵セットを組んでおります。
産卵セットの内容はオキナワノコギリと全く同じように組んで問題ないと思います。
使用しているマットは産卵一番、完熟マット、幼虫飼育に使用したマットのリサイクルマットを
使用しております。マットの選り好みはそんなにないかと思います。
温度に関しては我が家では25°くらいで産卵実績があります。22~26°くらいの温度なら問題なく産卵してくれると思います。
我が家ではクリアスライダーの小で産卵セットを組みました。水分が抜けにくくゼリーやメスの排泄物によりマットの水分量が増してくるのでやや水分量少なめに組んでおります。
採卵したいなら2週間程度、幼虫で割り出したいなら1ヶ月半〜2ヶ月くらいで割り出すと良いと思います。
幼虫飼育について
幼虫飼育 ★☆☆☆☆ 普通に育ってくれます。とても頑丈な虫です。
- 卵・初齢幼虫の管理について
卵の管理は特別デリケートではないように思います。我が家ではマット上、マット埋め込み、ティッシュ管理と色々な方法で卵管理を行いましたが、どの方法も問題なく孵化しています。
幼虫飼育において一番デリケートな時期である初齢幼虫の管理も特別落ちやすい印象はないです。
通常通り乾燥と蒸れに注意して管理すると良いでしょう。
- 2〜3齢幼虫の飼育について
ダイトウヒラタクワガタの幼虫はとても頑丈で飼育しやすい幼虫です。
我が家では菌糸での飼育経験はありませんが、恐らく菌糸でも普通に育ってくれると思います。
幼虫期間はおよそ8ヶ月〜10ヶ月程度です。早期羽化の個体になると半年ほどで羽化する子も出てくるかと思います。幼虫のサイズはメスで7〜9g、オスは最大個体で17gまで成長しておりました。
幼虫のサイズもオキナワノコギリとほとんど変わりませんね。
- 前蛹〜蛹期間について
ダイトウヒラタクワガタは他のヒラタクワガタと同じで羽化も上手な部類になります。
加えて、サイズも大きくない事も羽化不全の少ない要因だと考えています。
オキナワノコギリの場合はこの蛹化〜羽化にかけての期間とても気を遣う時期になりますが
ダイトウヒラタの場合はそこまで神経質になることもないでしょう。
しかしよく観察してあげることは大事です。いくら羽化が上手な種類とはいえボトル底に蛹室を作ってしまう事もあります。
そうなると羽化時に体外へ放出した水分が蛹室内に溜まってしまい羽や体をうまく乾かす事ができずに不全してしまいます。そのため放出した水分が蛹室内に溜まらないように水分が浸透する環境が必要不可欠です。
ボトル底に変な蛹室を作ってしまった場合我が家では、蛹室下に水分を流すだけのマットや菌糸がない場合はボトルをひっくり返して水分を蛹室から蓋の方へ浸透させることができる環境を作ります。またこの際、蛹の頭部分がお尻よりも低い位置にきてしまうとよくないのでボトルを傾けて頭側が高くなるように調整してあげるとより良い環境が作れると思います。
蛹室の形がめちゃくちゃで羽化に支障が出ると判断した場合は人工蛹室を検討します。
人工蛹室とは人が作った簡易蛹室で我が家では園芸用スポンジを利用して作成しております。人工蛹室に移す判断基準としては、蛹室の全てまたは一部が崩れていないか、体を動かしたり、寝返りができそうな状態か?というのを個人的に確認して人工蛹室を使用するか判断しています。
ここまで大切に育ててきて後もう一息というタイミングで死んでしまったり、不全してしまうと悲しいですよね。なので最後まで気を抜かずに良く観察して無事完品羽化させてあげましょう!
休眠管理&成虫飼育
成虫飼育&休眠について ★☆☆☆☆ 休眠も短く、成虫寿命も長い。
- 休眠管理について
ダイトウヒラタクワガタの休眠期間は1〜3ヶ月くらいです。
休眠が比較的短く、成虫の寿命もとても長いので多少羽化ズレしても問題なくペアリング可能です。
オス、メスの羽化ズレ自体も気になるほどズレる事もないのでそういう意味でもとても飼育しやすいクワガタだと思います。休眠期間が短い種類の為、休眠明けで餌をあげるのが遅れてしまって餓死ということも考えられるので掘り出した後もこまめに観察することを心がけましょう。
休眠管理時に我が家ではティッシュを使用しますが休眠が明けて成虫が餌を求めて動き回ると入れておいたティッシュがズタズタになるのでこれを一つの活動開始の合図としてみると良いでしょう。
休眠管理中にもう一つ気をつけなければいけないのが乾燥です。休眠管理中に長い間放っておくと容器内の水分はどんどん抜けていってしまいます。クワガタ、カブトムシは基本的に乾燥に弱くその状態で放っておくと衰弱して死んでしまったり、脚や符節が欠けてしまいます。休眠中も容器内のティッシュを確認し乾燥してきたら霧吹きで加水してあげましょう。
- 成虫飼育について
ダイトウヒラタクワガタの成虫寿命は羽化後2年以上生存する子も多い長寿なクワガタです。
羽化してから活動開始までは1〜4ヶ月程かかります。ペアリングが可能になる目安として我が家では後食後1ヶ月を目処にペアリングを開始しています。
これは私の感覚ですが、羽化後すぐの個体よりもある程度経過した個体の方がスムーズにペアリング&産卵する傾向にあると思います。なので、一度ブリードに失敗しても諦めずに時間をおいてもう一度組んでみると思わぬ良い結果が得られるかもしれません。
我が家ではクリアスライダーの小、プリンカップの800ccを成虫管理に使用しております。
性格も温厚で優しい子です。サイズも程よい大きさで飼育しやすい可愛いクワガタなのでクワガタの飼育に慣れていない人でも容易に飼育できると思います。
クワカブ飼育の最初の1頭にいかがでしょうか😁!
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