
基本情報


学名: Aegus platyodon platyodon (原名亜種)
和名: プラティオドンネブトクワガタ
生息地: インドネシアのモルッカ諸島(モロタイ島)※日本に入荷するのはほぼほぼモロタイ島産だが
その他モルッカ諸島の島にも生息している。
サイズ: ♂25mm – 57.3mm、♀20mm – 35mm?(詳しい情報なし)。
ギネスサイズ: ♂飼育レコード57.3mm ♂野外レコード49.6mm (原名亜種)
自己記録: ♂ 51.5mm ♀30mm (原名亜種)
飼育難易度
飼育環境&餌 ★★★☆☆ 温度は極端でなけば気にしなくて良い。餌については後述。
産卵&ペアリング ★★☆☆☆ ペアリングも産卵も比較的容易。
幼虫飼育 ★★☆☆☆ 弱いと思いきや、普通に頑丈かも??
成虫飼育&休眠について ★★★☆☆ 繭玉から自力で出てくる。乾燥には注意!
飼育環境と餌
飼育環境&餌 ★★★☆☆ 温度は極端でなけば気にしなくて良い。餌については後述。
飼育環境については特別に気を遣うことはないかと思いますが真夏の常温(28°以上)や真冬の常温は流石に耐えられないと思うので人間が過ごしやすい温度での飼育を心がけましょう。
我が家ではオス、メス共に800ccのボトルで飼育。最大体長から考えても800ccで十分と考える。
食性については、ネブトといいうこともあり、熟度の高いマットで安全に飼育する必要があると考えておりました。しかし、ある程度栄養価の高いマットでもしっかりと成長してくれており、サイズも十分に出たことから、国産ネブトのようにデリケートな種類ではなくノコギリやヒラタと同じように飼育しても問題ないと考えております。ただ、Be-Kuwaのギネスの飼育情報によると、ギネス個体はカブトマットを使用しております。熟度が高く、高栄養のマットに最適性があるのかも知れません。
また、検証はしたことがありませんが、菌糸には適性がないと考えております。


産卵について
産卵&ペアリング ★★☆☆☆ ペアリングも産卵も比較的容易
- ペアリングについて
プラティオドンネブトクワガタはとても温厚なクワガタです。
私に対しても威嚇行動をとったことすらないですし、なんなら、触ると擬死行動。いわゆる死んだふりをするため元気よく動き回る姿すら中々お目にかかれません。笑
私個人的には特に顎縛りをせずに同居ペアリングさせても問題ないと考えております。
いつも本当にジッとしているので、交尾を目視することも難しく、メイトガードも確認したことはありません。なので、他の種類よりも長めに1週間ほど同居させるか、産卵セットにオス、メスを一緒に入れてセットするかで対応すると良いでしょう。
- 産卵セット
プラティオドンネブトはマットのみの産卵セットで問題ないと思います。
産卵セットの内容は前に記事を上げている、オキナワノコギリクワガタやダイトウヒラタ等のようにガチガチに硬詰めする必要はなく、ふんわり組んで良いと思います。
使用するマットは産卵一番よりも熟度の高い、色が黒っぽいマットを使うとより効果的だと思います。
温度に関しては人間が快適に過ごせるような温度であれば問題なく産卵してくれると思います。
我が家ではクリアスライダーの小で産卵セットを組みました。水分が抜けにくくゼリーやメスの排泄物によりマットの水分量が増してくるので、必要量よりもやや水分量少なめに組んでおります。
ただ、ネブトクワガタの仲間は水分量多めの環境の方が産卵実績が良いのでその点頭に入れて組みましょう。
採卵したいなら2週間程度、幼虫で割り出したいなら1ヶ月半〜2ヶ月くらいで割り出すと良いと思います


幼虫飼育
幼虫飼育 ★★☆☆☆ 弱いと思いきや、普通に頑丈かも??
- 卵・初齢幼虫の管理について
卵はマットに埋め込んで管理しましたが、特に問題なく孵化してきました。
初齢幼虫の管理についても、特段別種と比較して難しいことはないと思いますが、水分量多めに産卵セットを組むのでマットの劣化や卵の酸欠には注意しましょう。
また、水分量多目を好むので乾燥にはくれぐれも注意しましょう。
- 2〜3齢幼虫の飼育について
デリケートで弱いと思っていたプラティオドンネブトの幼虫ですが、飼育してみるとそんなこともなく
スクスクと成長してくれます。ある程度、栄養価の高い餌を与えて大型化するか検討するのも良さそうです。
幼虫期間は今季暫定最大の個体で、8ヶ月程度でした。メスは6ヶ月程度で羽化が始まる印象です。
幼虫のサイズは、メスはほとんど1本羽化なので正確にはわかりませんが、5〜7.8g程度かなと思います。オスは12gの幼虫が51.5mmで羽化してきました。10gを超えると大型期待できそうです。
レコードサイズを狙うには16gくらい必要なのかな?
- 前蛹〜蛹期間について
前蛹〜蛹については繭玉を形成するため、確認できることはほとんどありません。
稀にボトルの側面や底面から見えるように蛹化する個体もいますが、大体は繭玉の中で蛹化、羽化します。なのでこの期間に観察や何か手助けをしてあげられることはほとんどありません。
蛹化時にあまりにもマットが微粒子且つ、水分量が多すぎると繭玉の中で酸欠を起こして死んでしまう
個体が出てきてしまいます。マットの様子を見て心配だなと感じるときは、繭玉を崩さないように掘り出して管理してあげると良いでしょう。
万が一繭玉を壊してしまった場合、繭玉自体が再利用可能であれば穴を開けてしまった部分に濡れたティッシュで蓋をするように被せてあげると小さな穴であれば綺麗に繭玉を補修してくれます。
また、完全に壊してしまった場合、まだ我が家でそのような事態は起きたことがないのですが、私なら
ティッシュや園芸用スポンジを使用して人工蛹室を作り管理してあげます。
休眠管理・成虫管理
成虫飼育&休眠について ★★★☆☆ 繭玉から自力で出てくる。乾燥には注意!



- 休眠管理について
我が家ではプラティオドンネブトはほとんど自力ハッチを待ってから個別管理に移るので、この虫の休眠期間については実はよくわかっておりません。掘り出してしまった個体についても、元々がとても大人しい虫ということもあり、活動開始の見極めが難しいと感じております。
餌を積極的に食べるようになれば活動開始とみて良いと思います。
自力ハッチした個体についてはすぐに食べ始めると思うので餌を与えてあげましょう。
休眠管理中にもう一つ気をつけなければいけないのが乾燥です。休眠管理中に長い間放っておくと容器内の水分はどんどん抜けていってしまいます。クワガタ、カブトムシは基本的に乾燥に弱くその状態で放っておくと衰弱して死んでしまったり、脚や符節が欠けてしまいます。休眠中も容器内のティッシュを確認し乾燥してきたら霧吹きで加水してあげましょう。
特にネブトクワガタの仲間は多湿を好む傾向にあり、乾燥にも弱いので管理環境が乾燥しないように普段から気をつけてあげましょう。
- 成虫飼育について
プラティオドンネブトクワガタはまだ我が家で寿命を全うした子がいないことからこれから要観察になりますが、羽化後、1年以上経過した個体のフセツ欠けもなく餌の食いも全く衰えないことから、ドルクス属のようにとても寿命の長いクワガタだと思います。
上でも書きましたが、活動開始の判断が少し難しいクワガタだと感じており、ペアリングのタイミングが掴みにくいところがあります。しかし、性格もとても温厚でメスを攻撃する心配もほとんどないので
羽化後ある程度経過し、餌の食いも十分に確認できれば、オスメスを同居させて産卵セットに投入するのも一つの手だと思います。その場合、無事に卵から幼虫が孵化することが確認でき、有精卵が確定したら同居を解除しても良いのかなと思います。
我が家ではクリアスライダーの小、プリンカップの800ccを成虫管理に使用しております。
性格もとっても温厚で優しい子です。サイズも程よい大きさで飼育しやすい可愛いクワガタなのでクワガタの飼育に慣れていない人でも容易に飼育できると思います。


まとめ
総合的な飼育の難易度としてはそんなに高くない虫だと思います。
ですが、我が家でたまたまうまく行った可能性も考えられるのでまた来季以降何か新しい気づきがあればその都度、何かしらの記事にまとめていこうと思います。
ヒラタ、ノコギリのような一般的な種類とは少し産卵や飼育方法が違ってくるのでその辺りで、難しいとイメージを持っていたり、つまづいたりする方もいると思います。
ヒラタ、ノコギリのような通常の飼育に慣れた方は次の経験、ステップとして本種に挑戦してみるのも良いと思います。飼育方法の違いさえ把握していれば特別難しい種類の虫ではないと思いますので^^
もし、何か困ったことや、疑問に直面したときは気軽にコメント下さい!
私のわかる範囲で何もかも包み隠さずお伝えさせていただきます。
それでは本記事はここまで。見た目も生態も一風変わったプラティオドンネブトクワガタ。ぜひ皆さんも飼育にチャレンジして私よりも大きな個体を羽化させて私に見せてくださいね^^
ブログの他にもYouTubeやX(旧Twitter)もしているのでそちらでも気軽にお声掛け、交流いただけるととっても嬉しいです😄
English comments are also welcome. Feel free to drop your comment! I will happy to communicate with international people:)
コメント