

基本情報
学名: Cyclommatus metallifer finae
和名: メタリフェルホソアカクワガタ 亜種名フィナエ
生息地: ペレン島
サイズ: ♂30mm – 100mm、♀18mm – 30mm。
ギネスサイズ: ♂飼育レコード98.7mm ♂野外レコード100mm
自己記録: ♂ 80mm ♀29.1mm
飼育難易度
飼育環境&餌 ★★★☆☆ 大型を狙うなら低温必須。
産卵&ペアリング ★★☆☆☆ メス個体の当たり外れがある。基本的にメス殺しはない。
幼虫飼育 ★★★☆☆ 幼虫はデリケートに感じる。マットに相性がある。
成虫飼育&休眠について ★★★★☆ 休眠は短い。特にメス個体はフセツが飛びやすい。
飼育環境と餌
飼育環境&餌 ★★★☆☆ 大型を狙うなら低温必須。
本種に限らずホソアカクワガタの仲間は、大型化を狙うなら低温環境で飼育するのが効果的と言われている。極端な高温でなければ餌さえ問題なければ、羽化は可能だが、早期羽化で小型個体が目立ってくる印象。
我が家では、主に800ccボトルで飼育しており、800ccから80mmが羽化しています。
餌の量はそこまで必要としない種類だが、虫の形状上、これ以上の大型を狙うのであれば1400ccやそれ以上の容器を使用する必要があると考えております。
食性については、朽木由来のマットを好むと考えております。菌糸や、菌床由来のマットを使用して飼育すると幼虫の死亡率が極端に跳ね上がります。(我が家の環境との相性もあるかも。)
菌糸を使用して大きくなる話も聞かないですし、現レコード個体もマット飼育から作出されているので、餌はマット一択で考えて良いと思います。



産卵
産卵&ペアリング ★★☆☆☆ メス個体の当たり外れがある。基本的にメス殺しはない。
- ペアリング
メタリフェルホソアカクワガタは温厚な性格とは言えませんが、メスに対して執拗に攻撃する姿を私は見たことがありません。個人的にはどのクワガタよりもスムーズにペアリングできる印象です。
ただ、メス殺しが全くないかと言うと、そういうわけでもないらしく、稀に起きるようなので心配であれば、ハンドペアリング、顎縛りを検討しても良いでしょう。しかし、顎縛りについては注意が必要です。元々、華奢なクワガタでデリケート性質なので、オスの負担が大きくならないように軽い資材で縛ってあげたり、縛る期間を短くしてあげましょう。
メイトガードがしっかり確認できればそこから2,3日で産卵セット投入可能と判断しています。
交尾もペアリングも確認できなければ1週間を目処にペアリングをしています。
- 産卵セット
我が家ではマットのみの産卵セットを組んでおります。
産卵セットの内容はオキナワノコギリと全く同じように組んで問題ないと思います。
使用しているマットは産卵一番を使用しております。幼虫飼育の所でもお話ししますが、マットの相性にクセがある印象なので無難に実績のある産卵一番を使用する方が良いでしょう。
温度に関しては我が家では23°~26°くらいで産卵実績があります。22~27°くらいの温度なら問題なく産卵してくれると思います。
我が家ではクリアスライダーの小で産卵セットを組みました。水分が抜けにくくゼリーやメスの排泄物によりマットの水分量が増してくるのでやや水分量少なめに組んでおります。
採卵したいなら2週間程度、幼虫で割り出したいなら1ヶ月〜1ヶ月半くらいで割り出すと良いと思います。
幼虫飼育
幼虫飼育 ★★★☆☆ 幼虫はデリケートに感じる。マットに相性がある。
- 卵・初齢幼虫の管理について
卵の管理は特別デリケートではないように思います。マット埋め込みで卵管理を行いました。
全体的にデリケートで弱い印象があるので、安全策をとっています。
また、卵のサイズもとても小さく、見落としも発生するので基本的には幼虫で割り出した方が良いと思います。この虫は見落としなく割り出すのが困難なため、割り出し後のマットは捨てずに1.2ヶ月ほどして、再度割り出してみましょう。
- 2〜3齢幼虫の飼育について
メタリフェルの幼虫はデリケートで環境変化、マットの質に敏感な印象です。
我が家では菌糸での飼育経験はありません。菌床マットとの相性がすこぶる悪かったことを考えると、菌糸飼育での幼虫の死亡率も高いと考えられますし、サイズも特に伸びることもないと考えているため検証の予定もありません。
幼虫期間はオスとメスでだいぶ期間に差があります。メスの幼虫期間は3ヶ月〜6ヶ月程、オスの幼虫期間は6ヶ月〜10ヶ月程です。サイズを狙うために、低温で管理すると1年半くらいまでのばせそうです。実は、メタリフェルの飼育において一番辛いのがこの幼虫期間の差による羽化ズレです。
オス、メスの羽化時期調整の為に早期羽化の小さなオスを用意するか、温度管理で幼虫期間を調整する必要があります。
幼虫のサイズは、メスで2〜3g、オスは最大個体で12gまでは確認しております。
華奢なクワガタなだけあって体重の割にサイズが出る印象です。
- 前蛹〜蛹期間について
メタリフェルホソアカクワガタは、見た目の割には羽化が特別苦手というわけではありません。
しかし、体以上の長い顎を持つため、どうしても顎先が曲がったり、不自然な形になってしまったりということが起きてしまいます。
蛹室の場所についてもノコギリクワガタとは違い、ボトル底とかではなく綺麗に上手に作る印象です。
しかし、やっぱり中には下手な個体もいるので、蛹室の状態が悪い場合はボトルをひっくり返すことや、人工蛹室への引っ越しも検討してあげましょう。
今の所有効な対策がまだないのですが、メタリフェルホソアカクワガタはこの蛹化、羽化のタイミングで死んでしまう個体が多いです。やはりこれだけ大きなアゴを持っていると変体が難しいのでしょうか?この蛹化、羽化時の死亡率を改善する策が見つかればまた別途報告いたします。
休眠管理&成虫飼育
成虫飼育&休眠について ★★★★☆ 休眠は短い。特にメス個体はフセツが飛びやすい。
- 休眠管理について
メタリフェルホソアカクワガタの休眠期間は短く、2週間〜1ヶ月程度で活動開始します。
休眠がとても短く、すぐに活動開始してしまうこと、成虫寿命が半年ほどと長くないこと、オスメスの幼虫期間の差が大きく羽化ズレが発生すること。このあたりがメタリフェルのブリードを長期的に続ける上で難しい所です。
休眠期間が短い種類の為、休眠明けで餌をあげるのが遅れてしまって餓死ということも考えられるので掘り出した後もこまめに観察することを心がけましょう。
休眠管理時に我が家ではティッシュを使用しますが休眠が明けて成虫が餌を求めて動き回ると入れておいたティッシュがズタズタになるのでこれを一つの活動開始の合図としてみると良いでしょう。
休眠管理中にもう一つ気をつけなければいけないのが乾燥です。休眠管理中に長い間放っておくと容器内の水分はどんどん抜けていってしまいます。クワガタ、カブトムシは基本的に乾燥に弱くその状態で放っておくと衰弱して死んでしまったり、脚や符節が欠けてしまいます。休眠中も容器内のティッシュを確認し乾燥してきたら霧吹きで加水してあげましょう。
メタリフェル、特にメスのフセツは特に損傷しやすい印象があります。我が家では成虫の休眠管理にルアーケースを使用しておりましたがわずかな隙間に挟まってか、メスのフセツが損傷しまくるという事故が多発してしまいました。メタリフェルの成虫管理おいては、フセツが挟まり可能性のない容器、少しサイズにもゆとりがあると良いでしょう。


成虫飼育について
メタリフェルホソアカクワガタの成虫寿命は半年程〜10ヶ月程度です。
羽化してから活動開始までは2週間〜1ヶ月程。ペアリング可能になる目安としては我が家では、後食開始したらペアリングしても良いと考えています。
比較的交尾欲の強いクワガタですぐにペアリングが成立する印象です。また、オスがメスを攻撃することも稀で、同居ペアリングさせても数時間後には仲良くゼリーを啜る姿が見られます。
我が家ではクリアスライダーの小、プリンカップの800cc、600cc、200ccを成虫管理に使用しております。
先ほどはメスの休眠管理の注意点について記述しましたが実はオスの管理にも注意点があります。
オスはサイズに合わせて管理容器を検討してください!というのもメタリフェルのアゴはとても長く先も鋭利に尖っています。そのためアゴ先がクリアスライダーのような硬いケースの蓋に届いて何かしら引っ掛かってしまうと、すぐに欠けてしまいます。アゴが大きな魅力のこのクワガタのアゴ先が欠けてしまうととても目立ってしまい魅力を大きく損失してしまいます。
アゴ先が引っかからないような大きめのケースか、プリンカップのような引っかかる場所のない物を使用すると事故が防げると思います。
意外とアグレッシブで積極的に威嚇しますしよく挟みます。挟む力は強くないのですが、アゴがとても鋭利なので、サクッと皮膚を貫通し出血することがあります!お子さんが触れ合う際には気を付けてあげてください。
サイズよし!色良し!の大人気のクワガタです。クワカブ飼育の最初の1頭にいかがでしょうか😁!






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